体の一部、特に手のひらから大量の汗がでてしまう症状のことを、「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」と呼びます。

手掌多汗症は生活に多くの不自由さを感じる病気です。

たとえばいつも手が汗でぬれているため人と握手をすることをためらったり、触ったものが濡れて破損してしまったりなど。

このような症状は、生まれつきの体質からくるものなのでしょうか?

手汗が多いのは、先天的要因?

手汗は生まれついての先天的体質と、思春期前後から発症する手掌多汗症は「原発性(局所)多汗症」とに分類されます。

物心ついたころから多汗症だと感じている人のほとんどは、これに当たるでしょう。

未だ医学会でもはっきりとした原因はわかっていませんが、交感神経の反応が強くなりすぎているために起こるのではないかという説が最も有力なようです。

交感神経は緊張時に活性化するので、発汗作用に深く関わっています。

緊張したり、驚いたりしたときに手のひらに汗をかくことはごく自然なことです。通常では、リラックスすると汗はひいていきます。

しかし、手掌多汗症の人はそうではありません。

平静なときでも手のひらからあせをふきだしてしまう状態が続きます。そして緊張するとさらに汗の量が増えてしまうのです。

また手のひらにかく汗の量は、人によって異なります。たとえば手のひらが少し湿っている程度の人もいれば、水滴が落ちるほど汗がしたたる人もいます。

ちなみに手掌多汗症に悩んでいる人の年齢層は幅広く、10代から60代くらいまでの学生や社会人といった人との関わりを持つ層が中心です。

近年では60代を過ぎても働く人が多いので、対人ストレスからくる二次障害で手掌多汗症が起こるケースも問題となっています。

手汗が多くなる後天的要因とは?

一方、他の病気にかかることによって汗量が多くなる症状を「続発性多汗症」と呼びます。

手汗だけでなく全身に汗を多くかいている場合は、「甲状腺亢進症」「糖尿病」「結核」「更年期障害」「自律神経失調症」などの病気が原因かもしれません。

急に汗が多く出はじめたと感じている方は、病院で医師の診察を受けるようにしましょう。

その他の後天的な原因としては、「精神的な要因」が最も多くあてはまります。前出の「原発性多汗症」で交感神経の過剰なはたらきについてお話ししましたが、先天的要因でなくても、あがり症や繊細な方もこの症状が起こりがちです。

緊張や不安で手のひらに汗をかくことは自然なことですが、心が繊細な人はそのことをとても気にしてしまう傾向にあります。

恥ずかしさのあまり早く汗をとめようと焦ってしまい、よけいに汗が出てしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

手汗に対する改善策は?

医療機関での治療には「心身療法(自律訓練法)」「神経遮断薬の投与」「ボツリヌス菌注射」といった方法があります。

最も即効性があり効きめの強い方法は神経遮断薬やボツリヌス菌注射です。

しかし副作用が伴う場合があったり、治療費が高くついたりするといったデメリットもあります。

一方心身療法(自律訓練法)の場合、副作用はほぼありません。

ただし気持ちを落ち着かせて症状を軽減するといった、精神的な克服がメインです。また、最初に医師の診断やカウンセリングを受ける必要もあります。

手汗を自宅でケア

お気軽に試すことができる手汗対策として、「手汗専用の制汗剤やクリーム」が活用があります。

特に塩化アルミニウムを配合した制汗剤やクリームは、汗腺を塞ぐはたらきがあると言われています。

敏感肌な人には、クロルヒドロキシアルミニウム配合のクリームがおすすめです。塩化アルミニウムより効果は低めですが皮膚への刺激が少ないので、痒み・痛み・赤みといった肌トラブルを防げます。

日中は汗で流れ落ちてしまいがちなので、なるべく就寝前に塗る習慣をつけるとよいでしょう。

「手汗専用の制汗剤やクリーム」を使うことで、自宅で簡単に手汗のケアを行うことができますので、手汗対策に活用してみてはいかがですか?