緊張したときはもちろん、明日の学校や仕事のことを考えただけで手汗が噴き出してしまう・・・

こういったお悩みをお持ちの方は少なくはありません。

ここでは、手汗を少しでも抑える方法をご紹介いたします。

手汗は手術で治せる?

手汗の 症状がひどい、根本的治療をしたいという方には手術という選択肢もあります。

手術の方法、メリット、デメリットについてみていきましょう。

手術方法は?

手術と聞くと恐いイメージを抱く方もいるでしょう。

しかし、手汗対策の手術は大がかりや危険なものではなく腋の下を3~4㎜ほど片側2か所ずつ切開し胸腔鏡(内視鏡)を用いたETS手術というものを行います。

左右両側合わせて10分程度で終わり、術後3~4時間で退院できます。

つまり日帰りでの手術が可能で、傷も小さく目立たないものとなります。また術後の痛みも殆どなく翌日からシャワー、翌々日からは入浴も出 来ます。

多汗症の手術は保険適用(3割負担)となっており高額療養費支給制度を利用して8~10万円程度となります。

手汗がひどくて日常生活に支障が出ている方は、手術という選択肢を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

手術のメリットとデメリット

手汗の手術を行なうメリットは、手汗を引き起す神経の信号の伝達を遮断してしまうため、確実に手汗を減らすことが出来る点でしょう。

つまり手術を行えば、根本的な治療が期待できるのです。

また個人差はありますが、手汗だけではなく、腋の下や首、顔面や頭部の汗も少なくケースもあるようです。

しかし、大きな効果が見込める手術ですが、やはりデメリットもあります。

手汗や腋の下、頭部付近の汗が少なくなるということは汗による冷却作用が妨げられますので、これらの部分は術前より暑く感じることが増えるようです。

また手汗が出にくくなっても、体の冷却のために別の場所で汗をかかなくてはならないため、術後に胸や胴体、大腿部の汗が多くなったという人もいるようです。

この現象は、体の別の場所で汗をかいて体温調節する代償性発汗と言います。

その他、手のひらが乾燥しやすくなりますが、保湿クリームの使用でかなり回避出来ます。

このようにデメリットはあっても。手汗を確実に止めるたい方には適した方法となります。

いろいろな方法を試したが、効果が無かった方の最終的な選択肢と言えるでしょう。

ツボと呼吸方法

手術はちょっと・・・

とためらうのも当然のことです。

そこで、手汗に効くといわれるツボや呼吸方法がありますので、ご紹介します。

労宮と合谷のツボ

手汗を止めるのに効果があると言われるツボとして、労宮(ろうきゅう)と合谷(ごうこく)があります。

労宮は手のひらのほぼ中央にあります。目安として手を握った時に中指の先端が手のひらに当たる場所です。

ここを押すと血行が良くなり緊張やイライラ、ストレスに効果があると言われています。

また合谷は手の甲の親指と人差し指の骨がぶつかる場所からやや人差し指側のくぼみにあります。

ここは手汗だけでなくめまい、頭痛、肩こりなどにも効くといわれています。

いずれのツボも毎日決まった回数を押すというものではなくて人に会う前、会議の前、イライラした時に心を落ち着かせたい時にゆっくり数回~10回程度押すと良いようです。

しかしこれらのツボを押したから手汗が完全に止まるというわけではありません。

緊張を和らげることによって手汗を抑制するというものです。

ですから人によっては効果が見込めないこともありますが、費用もかからないし、手間もかかりませんので、試してみる価値はあるでしょう。

膚圧反射って?

膚圧反射とは、体の圧迫された方の体温が下がり、その反対側の体温が上がって発汗が促進されるという生理的現象のことです。半側発汗とも言います。

例えば右側のお腹を下側にして寝転がると、左側の圧迫されていない方のお腹(側面)の体温が上がってより汗をかくということが起きます。これが皮膚圧反射です。

皮膚圧反射を利用することで、短時間でも手汗防止に高い効果が期待できることがあります。

具体的には胸の上部、腋付近を強めに押すと手汗を防ぐことが出来ます。

人前でこれらの部位を押すことに抵抗がある場合は、腕組みをして胸を強く押すようにしても効果があります。

舞妓さんが帯を胸の高さできつく締め付けているのは、この皮膚圧反射を利用して化粧をした顔に汗をかかないようにしているのは有名な話ですね。

腹式呼吸

呼吸方法によっても手汗の抑制に期待がもてます。

手汗の主な原因である緊張やストレスは、交感神経が刺激されることによって生じます。

交感神経は緊張したり、日中の活発な活動をする時に積極的に働く神経で、副交感神経はリラックスして過ごしたり、睡眠中など緊張から解き放たれた時に活発に働きます。

ですから副交感神経の働きをより活発にすることで緊張が低減されて、その結果手汗も抑制にもつながるのです。

しかしこれら自律神経を自分の意志でコントロールすることできません。

そこで呼吸方法を工夫するのです。そして呼吸で副交感神経を活発にし、緊張を抑えるのです。

それが腹式呼吸です。

興奮時、緊張時は呼吸が早くなり短時間でより多くの酸素を体に巡らせようとします。これが交感神経の働きです。

反対にゆっくりと深い呼吸をすれば、副交感神経が活発に働くため、手汗の抑制に期待できるのです。

腹式呼吸のやり方は「息を吸う時が鼻」、「吐く時が口」が基本です。

一般の呼吸は息を吐く時もすべて吐き出さずに2~3割残すのが普通ですが、腹式呼吸では「すべての息を吐き切る」ことがポイントです。

息を完全に吐き切ることによって深くゆっくりとした呼吸が得られ体が緊張から解放されます。

息を吐く時に鼻を使っても構わないのですが、肺の中のすべての空気を吐き出す場合鼻よりも口を使った方が楽な場合が多いのです。

ゆっくり深く、腹部を凹ませるように意識して行ってみて下さい。

手汗に有効な成分

世の中のでは多くの手汗を抑えるクリームなどが販売されています。

そこで手汗を抑える効果のある成分について調べてみました。

塩化アルミニウム

塩化アルミニウムは、制汗作用がもっとも強いと言われている物質です。

手汗、腋汗の専門医院も塩化アルミニウムを含む制汗剤を処方することがよくあるようです。

塩化アルミニウムは汗腺の穴に確実に蓋をして発汗と匂いを防ぐ効果が大きいのです。

しかし市販の制汗剤はほとんどは、この塩化アルミニウムを含んでいません。

理由は効果が大きい分、肌への負担も大きく、肌荒れなどのトラブルを引き起こすリスクが考えられるからです。

制汗剤をいくつか使っても効果が無かった方は、事前に医師に相談して正しい使い方をすることを前提に、塩化アルミニウム含有の制汗剤を使ってみてもいいかもしれませんね。

クロルヒドロキシアルミニウム

クロルヒドロキシアルミニウムは、塩化アルミニウムに次いで、制汗作用が強いものです。

そして、より安全性が高い=肌のトラブルが起きにくいと言われている注目の物質です。

安全性が高い分市販の制汗剤の成分として使われることもあります。

・イソプロピルメチルフェノール

イソプロピルメチルフェノールは、汗を抑えるというよりも殺菌作用によって匂いを抑えるためのものです。

手汗であっても時間が経って乾けば汗臭になります。

イソプロピルメチルフェノールは強力な殺菌作用により汗臭を防ぐ効果が高く、腋臭の低減用制汗剤や一般化粧品にも使われています。

しかし非常に殺菌作用が強い分、使用量を間違えると肌に大きなダメージを与えることがあります。

ただしイソプロピルメチルフェノール単独で使われることはまずありませんし、一般の制汗剤や化粧品への含有量が厳しく決められていますのでイソプロピルメチルフェノール含有製品で肌トラブルを起こす可能性は低いのです。

手汗に効果のある成分は他にもありますが、これら3つが代表であり、他の成分は似たり寄ったりという感じです。

制汗剤を選ぶときには、含有成分を気にするようにして、自分に合ったものを探してください。

また迷ったときはやはり医師に相談してから、使用するのが一番でしょう。

規則正しい生活

手汗だけではなく、汗のトラブルを予防するには規則正しい生活と適切な食事も大切になります。

トレスと自律神経の乱れが原因に?

手汗の大きな原因といわれるものの一つににストレスがありますが、ストレスは対人や職場関係だけでなく自分自身の不規則な生活も原因のことが多いのです。

人間の体は緊張やストレスを受けた時に活発に働く交感神経とリラックスした時に働く副交感神経の二つがバランスよく働いていれば必要以上の汗をかくこともなく穏やかに生活できます。

しかし、このバランスが崩れると手汗を多くかくと言われています。

バランスが崩れるというのは交感神経がより活発に働いて緊張・興奮状態になり代謝が上がりその結果手汗を多くかくことにつながるのです。

ストレスや緊張も適度であれば私たちの生活に必要なものですが、過度のストレスは手汗を始め多くの負担を体に強いることになります。

手汗を多くかく人は日ごろから決まった時間に寝起きと食事をし、ストレスはためずに自分の方法で発散することが大切です。

深呼吸をする、ゆっくりお風呂に入るなど色々とあるとは思いますがお酒に頼ってはいけません。

お酒でストレス解消の癖をつけるとカロリー過剰摂取、アルコール依存症の危険、そして睡眠が浅くなるので逆に交感神経が活発になります。

有効な食事

食事に気を使うことによっても副交感神経を活発にし結果として手汗を少なくすることが出来ます。

いくつか食品の例をあげます。

大豆を使った食品

納豆、豆腐、味噌などです。大豆に含まれるイソフラボンはストレスを改善する効果があると言われています。

食物繊維

食物繊維を多く含む食品はある程度腸に留まりますので、長い時間副交感神経が働き体がリラックスする方向になります。

夏野菜

きゅうり、トマト、ナス、ゴーヤなどはクールベジタブル(クールベジ)とも言われ、カリウムを多く含むので体が余分な熱を排出して体温を下げて発汗を抑えます。

なお以下のような食品は摂取すると代謝が上がり汗をかきやすくなるのであまりお勧めできません。

唐辛子などの刺激性の強いもの、肉類、チーズ、カフェインを含む飲料(コーヒーなど)。

手汗対策

手汗の悩みは、日常生活に密着した悩みですので、まずは簡単なことからはじめてみて下さい。

効果がなければひとつずつ他の方法を試してみましょう。

少しお金はかかりますが、手汗用の制汗剤を試してみるのも良いかもしれませんね。